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3ヶ月限定で暮らして見えた、シェアプレイスのその先

中村恵久、池畠朋子、馬場澄礼、室岡小百合(シェアプレイス調布多摩川エディター)×加藤陽介、室町亜弥(株式会社リビタ)×池邉遥香(シェアプレイス調布多摩川入居者)

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リビタが企画から運営までを手がけるシェア型賃貸住宅「シェアプレイス」。そのシリーズのひとつ「シェアプレイス調布多摩川」に3ヶ月間限定で入居し、SNSなどで魅力を発信する編集者(エディター)をBAUSで募集したのが今から約半年前のこと。見事に選ばれた中村恵久さん(写真・左から3番目)、池畠朋子さん(同・左から4番目)、馬場澄礼さん(写真・右から3番目)、室岡小百合さん(写真・右から2番目)の4人は、平成最後の年の4分の1を一緒に過ごすことになった。彼らは、実際に3ヶ月という日々を過ごして何を得たのだろうか。入居最終日を翌日に控えたある日、シェアプレイスを運営する株式会社リビタの加藤陽介さん(写真・左)、室町亜弥さん(写真・右)と住人である池邉遥香さん(写真・左から2番目)の3人を加えて話してもらった。[Sponsored by 株式会社リビタ]


年齢も出身もバラバラな4人のエディターたち

ーーまずは、エディターとしてシェアプレイス調布多摩川で3ヶ月を過ごした4人になぜ今回の企画に応募したのかを伺いたいと思います。では、中村さんから

中村さん:僕は仙台で暮らしながら東京を行き来する生活を送っているのですが、ある日BAUSを覗いてみたら面白そうなことをやっていたので、もともと自分がやっていたことを生かせるかなと思って応募しました。

池畠さん:私は転職を機に社宅を出なければならなくなったのですが、一人暮らしに飽きていたのでシェアハウスを探していたところBAUSの応募を見つけました。でも、平々凡々とした人間なので、違う世界のことかなと思ってさらっと流していたんです。ところが締切の1週間くらい前になって、友だちから「これ、面白そうだよ」って今回の募集のURLが送られてきて、これも何かの縁なのかなと参加を決めました。

馬場さん:私は調布生まれ調布育ちなんですね。それこそ、実家がここから自転車で15分くらいの場所にあるんですが(笑)。でも、年齢を重ねるなかで地域との関わり合いが少なくなってきていると感じていて。というのも、普段はライターとしてWebや雑誌などで文章を書いているのですが、取材で地方に行ってその土地の人々に話を聞くと故郷のことをすごく大切にしていることが伝わってくるんですね。それで次第に「私にとっての調布って何なんだろう」と疑問に感じるようになって。そんなときにこの企画を見つけて、短い期間ながらもさまざまな人と関わることで、自分なりに故郷としての調布を定義できるんじゃないかと考えました。

室岡さん:私は大学で都市政策について勉強しているのですが、この企画を見つけて、学びを実践できるんじゃないかと思ったんです。あと、国外では共同生活の経験はあるのですが、国内では一人暮らしもしたことがなかったので、良い機会になるかなって。面白そうな人が住んでそうだったし。

ーーありがとうございます。実際に3ヶ月住んでみていかがでしたか?

中村さん:めちゃくちゃ早かったですね。

馬場さん:早かった。

室岡さん:毎日が濃すぎました。入居したときは思ったよりもシェアスペースでのコミュニケーションが少ない印象だったんですけれど、時間が経つにつれて井戸端会議のようなものが増えていったのが印象的でした。

中村さん:池畠さんは、この企画が終わってもここに残るって決めたんだよね。

池畠さん:私は計画的留年って呼んでるんですけど(笑)。やっぱりシェアって効率がいいんですよね。一人暮らしより時間のやりくりがうまくいくなと思って。

 

3ヶ月で実現できた3つの大きなこと

ーー基本的にはシェアプレイス調布多摩川のコミュニティを活性化させることに軸を置いて動いていたと思うのですが、この3ヶ月の取り組みについても教えてください。

馬場さん:日常的に住人さんとコミュニケーションを取りながら、大きなイベントとしては3つのことを企画しました。ひとつ目は、料理上手な住人さんの力を借りて、ゼロからピザをつくってパーティーをしました。普段は仕事が忙しくてラウンジに集まる機会がない人とかも来てくれたので、けっこう盛り上がりましたね。

池畠さん:このときは、普段なかなか時間が合わなくて会えない人も来てくれたよね。

馬場さん:ふたつ目は、調布で有名な老舗の和菓子屋さんを呼んで、練り切りという生菓子をつくるワークショップを開きました。このときは同じ敷地内にある大学の国際交流寮に住んでいる留学生も参加してくれて。入居者以外の人と交流できたのがよかったです。そして最後に、シェアプレイス調布多摩川で開催した「いっぴんいち」という文化祭のようなイベントがあり、その開催に向けて看板をつくるワークショップを開きました。このときは住人さんも手伝ってくれて、良い感じで士気が高まりましたね。

エディターと入居者の親交を深めるために開催されたピザパーティー

中村さん:あと、「いっぴんいち」でもワークショップをやったよね。

室岡さん:シルクスクリーンでTシャツにプリントするっていう体験コーナーを開催したんです。私が普段スケッチしている絵を画材屋さんに持っていて製版してもらって。あのときはシェアプレイスの入居者だけじゃなく、近隣の人たちともコミュニケーションを取れたのがよかったですね。「いっぴんいち」を主催したパッチワークスさんが小学校にポスターを持って行って告知してくれたから、小学生がたくさん集まってくれたんですけれど、とにかくパワーがすごかった(笑)。

近隣の住民たちと一緒に開催した「いっぴんいち」。
当日は晴天に恵まれ、青空のもとで出展が行われた。
大盛況のシェアプレイス調布多摩川。さまざまな人が訪れた。
小学生による出展も。親子連れも目立った。

ーーもともとの入居者である池邉さんは4人の活動をどう感じてますか?

池邉さん:エディターさんが参加したことで良い方向に雰囲気が変わったかなって思います。これまでは、それぞれにゆるく繋がっている感じでリーダー的な存在がいなかったから、大きく何かをするってことはなくて。特にシェアプレイス調布多摩川の入居者だけでなく、近隣の人たちも巻き込んで何かをするっていうのは、きちんと役割を持った人じゃないとできないことだったと思います。

池畠さん:入居する前はどのくらいコミュニティが形成されているかがわからない状態だったんですけど、割と小さな感じにはできていて。そこを私たちエディターでうまくまとめて大きなイベントをできたのはよかったかもしれないですね。

池邉さん:やっぱり入居者だけだとPRの仕方がわからないし、どこまでしても大丈夫なのかっていう線引きも難しくて。そのなかでエディターのような役割の人がいることで、そこが明確になった気がします。

加藤さん:リビタとしては、管理も運営も入居者が自主的にやっていくのが理想なんですよね。せっかくシェアして暮らしているのだから、管理会社に言えばなんでもやってくれるという受け身な姿勢だとちょっともったいないというのが本音です。そういう意味では、4人がいたことで活発な動きができたのかなと思います。

 

4人のエディターを通じて見えた入居者の生活

ーー加藤さんは以前、リビタが運営する「りえんと多摩平」でエディターとして活動された後に社員になった経歴があるそうですね。そういう意味では、エディターの先輩でもあるわけですが、4人のことをどのように見ていたのでしょうか?

加藤さん:もう7年前の話になるんですけれど、あのときは僕の人生のなかでいちばん楽しい時間で、かつターニングポイントにもなったから、プロデュースする側として関われたのは感慨深いなと思いました。あと、このエディター制度は人ありきの企画なんですね。僕のときはそれこそ一人ひとりが尖っていて、それぞれが「私がやる!」っていう雰囲気が強かった。でも、今回は4人がそれぞれ個性的でありながらも、お互いのことを尊重してうまくコミュニケーションを取りながら活動していたので、それは外から見ていて楽しそうだなと思ってました。

馬場さん:そうですね。私たち4人はそれぞれの持ち味を活かしていろいろ補いながら生活できていたかもしれないです。

ーーでは、加藤さんと同じ立場である室町さんはどのように見ていましたか?

室町さん:入居者の一人ひとりとは最初の段階で顔を合あせてるんですけど、その後の生活のことはわからないんですね。

加藤さん:僕らは住んでいないので温度感がわからなかったりするので。

室町さん:でも、2週間に1度のペースでエディターの4人と会議をして、そこで日常のことや入居者さんの要望をキャッチアップできたので、それはすごくよかったなと思います。

シェアして暮らす。その先の可能性とは?

ーーシェアしながら暮らすという文化も日本でかなり浸透している気がします。なかには、2拠点生活を送るために活用する動きも増えているそうですね。実際に住んでみてどのような活用の方法があると思いましたか?

中村:僕自身、もともと仙台と東京の2拠点生活をしていたんですね。そこに調布という場所もできた。そうやって拠点が増えていくと、結果的に無拠点になるんじゃないかなって。どこでも働けるっていう。そのなかで自分の拠りどころを増やして人との接点をつくっていくことって、働き方が多様化しているこれからはすごく大切になる気がします。

馬場さん:私はフリーランスなので、ラウンジで仕事をすることも多かったんですけれど、いろんなことをオープンに話せたのがよかったなと思います。例えばこれがシェアオフィスだともう少しかっちりしているというか、砕けた話がしにくいと思うんです。それがシェアプレイスだと、日常の一部に仕事を組み込んで生活できるので、同じ職種の人と気軽に声を掛け合えたかなって。

室岡さん:私もそういう面ではかなり助けられました。いろんなバックグラウンドを持つ人がいるので、話を聞くだけでもためになることが多かったです。

池邉さん:入居者のボリュームゾーンが20代とか30代なので、同世代の人たちがどんな価値観を持ってるのかとか、どんなことに悩んでいるんだろうっていうのがわかるのが面白いですよね。社会に出ると同世代の人たちの話を聞く機会って減ってしまうじゃないですか。

中村さん:めちゃくちゃ硬い仕事をしている人と、それこそフリーランスの人が一緒になることも普通だったらないことですしね。あとシェアプレイス調布多摩川は、ラウンジにめちゃくちゃ人が集まっているときもあれば、全然いないこともあって。

池畠さん:誰か来るかなと思ってラウンジで待っていたのに、誰も来ないこととかあるからね(笑)。

馬場さん:その距離感で生活できるのがいいなって思いました。やっぱりコミュニケーションを取ることが前提になっちゃうと疲れてしまうこともあるので。

中村さん:確かにちょうどいいかもしれないよね。誰かが帰ってきてもラウンジから顔がいい感じに見えないから、今日はひとりでいたいなってときは部屋に直接向かうこともできるし。

 

あらためて考える、エディター制度のこれから

ーーエディター制度の可能性についてはいかがですか?

中村さん:個人的にはもっといろんなところに取り入れられるといいですよね。入居者と運営会社のハブになる存在がいることで、うまく回ることもあると思うので。ただ、3ヶ月という期間は少し短かった気がしました。最低でも半年くらい時間があると、いろいろリサーチをしたうえでゴールを明確にしてやっていけるのかなって。

加藤さん: 3ヶ月って短いよね。実は僕もエディターをやったときは3ヶ月だったんですけれど、やりきった感がなかったので6ヶ月に変えてもらっていたから。でも、最初から6ヶ月とか1年という期間に設定してしまうと、ゴールが曖昧になって中だるみしてしまう可能性もあるから、そこはまだ検討段階かもしれないですね。

室岡さん:途中から参加することの難しさみたいなものはありましたね。すでに関係値ができているなかに入っていくことになるから、どういうテンションで入っていけばいいか悩んだし、最初の数週間は調和することを大切にしていました。

池畠さん:ピザパーティーのときくらいは顔と名前を覚えるので必死だったよね。

室町さん:ベストのタイミングは、シェアプレイスがオープンするときかもしれないですね。

加藤さん:確かにオープンはすごく重要だしね。リビタでは新しいシェアプレイスをオープンするときにキックオフのイベントをするんですけれど、そういう場から入っていけるともっとスムーズなのかもしれないですね。それで色が出るようになると、その雰囲気に魅力を感じて入居してくれる人も増えていくと思うので。

PROFILE

株式会社リビタ

「くらし、生活をリノベーションする」をコンセプトに、既存建物の改修・再生を手がける会社として設立。近年は、東京・神田のシェア型複合施設「the C」を地方自治体の移住相談窓口や東京事務所として活用しているほか、大人の部活が生まれる街のシェアスペース「BUKATSUDO」で展開する講座・部活などを通じた地方との関係人口創出など、地方と連携した事業展開なども多くなっている。また、日野市産業連携センター「PlanT」では、参加者と企業が、技術やサービスの新たな活用法を考えていくプロジェクト「メーカーズキャラバン」を展開。地域のものづくり企業へ実際に足を運んで工場見学(見て学ぶ経験)を行うほか、ものづくりワークショップ(製品に自ら触れる機会)やアイデアソンを実施している。それ以外にも、これまでさまざまな場で蓄積してきた「コンテンツ企画・運営」「集客・プロモーション企画」「コミュニケーションマネジメント」などのノウハウを活かし、街やその地域のプレイヤーと連携しながら地域活性化や関係人口創出へと繋げていく事業を展開している。

https://www.rebita.co.jp/

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